落合陽一の写真展とトークイベントに行ってきた話

日記

1/26 21:00~22:30

落合陽一×YASUNARI KIKUMA

【時代性と今、写真メディアで表現できること】

 

に参加してきましたので共有します.

 

落合陽一さんの紹介をここで書くと日が暮れて夜が明けてまた日が暮れてしまうので,本人のnoteを見てください.

本やWeeklyOchiaiもお薦めです.

そんな落合さんの写真展覧会「質量への憧憬」に併せて開催された今回のトークイベント.

 

 

対談相手はYASUNARI KIKUMAさん.

 

落合さん曰く「光フェチのフォトグラファー」である.

話したら絶対面白くなるとのことで対談が実現し,冒頭はKIKUMAさんの自己紹介.

画家を目指してNY,パリを経てカメラマンに.

さらっと過去を語っていたが行動力の凄まじさが節々に現れておりやはり只者ではない

 

落合さんの紹介としてはカメラの遍歴など.落合さんの個展だからみんなある程度知ってるという前提なのかな.

 

そこからは近年のスマートフォンの普及と写真について.

ここで心に残ったのは「温度感を撮るための工夫」「スマホは光を当てるのが不得意」などの話.

 

普段スマホのカメラでデザート取るぐらいしか写真と接点のない私でも興味深く聞けました.

 

 

KIKUMAさんが長谷川等伯の屏風を撮影する際の,光の当て方についての話がまさに光フェチ

現代の美術館では上からのライティングのみで鑑賞しているが,何百年前の屏風を書いた人やそれを鑑賞していた人は,日本家屋に暮らしていたわけである.

昼は日本家屋の庭の白石からの反射の斜めの光,夜はろうそくの下からの揺らめく光で屏風を見ていた,と.

 

たしかに!

これは普段光など意識していなくても面白かった.

 

更に話は西本願寺や能舞台,炭,箔はすごいなどマニアックな領域へ.

 

光という視点で街を分析するなど.

 

バンクーバーと上野の路地裏が似ているという落合さんしか見えてない世界が展開されていた.

それに対して湿度やそばに海があるなどKIKUMAさんも引けを取らない.

 

話は光からスマホカルチャーへ.

 

上記の「光」や「温度感」はスマホでは撮影が難しい.

ファーウェイのライカレンズやGooglePixelなどはきれいな写真が取れるが,そのきれいは誰かが定義したインスタ的な「きれい」である.

という話.

 

さらにSNS映えと併せてセレブリティの発言が正とされる風潮についても.

 

KIKUMAさんの2000年台はアート・カルチャー・ファッションがいい具合に戦っていたが今はSNS映えとセレブリティの発言に流されているという話が面白かった.

落合さんのチームラボの作品がインスタにアップされた時点で作品が完成されるのが批判性が高いというのもなるほどと思う.

 

更に話は日本と海外のカルチャーの違いについて.

 

KIKUMAさん曰く海外では肖像権より著作権が強いためフォトグラファーが強いが日本は逆のため芸能事務所が強い.

海外の方がフォトグラファーの意志にウエイトがある分,クリエイティブであると.

 

日本のフォトグラフシーンが良くなるには

日本は周りを見る人が多すぎるとKIKUMAさん.

食べログやミシュランが流行るのは日本を象徴していて答えを求める教科書教育的な性質が現れている.

そこから脱線しないといい写真(レアな写真)は撮れない.

 

落合さんは現代アートが写真と比較して民主性を持っていないと.

みんなとちょっとだけ違うを広げていけば表現の幅が広がり文化に繋がる.

アートをアウトプットしていればそれが理解できるがなかなか理解が広がらない.先に咲く花が妬ましい風潮がはびこっている.

 

これは本当にそうだと思うし,落合さんが言う世界のほうが面白いよね.

 

ここでKIKUMAさんがいい写真は暇な人しか撮れない.パリでは暇だった,と.

今回の作品を見て「落合くん暇だったの?」

 

超多忙で有名な落合さんを知ってか会場は沸く.

 

それに対して落合さんは「その感想が一番わかってくれた感があって嬉しい」と.

忙しいが楽しくいつでも写真を取れる環境だという.

日本でいい写真を取るためには好きなことやりながらフワフワしてるのが一番だそう.

 

1300撮るという落合さんに対して,そんなに撮りたくないとKIKUMAさん.

更に落合さんの脳内の話へ.

一番反省するのは「いいな」と思っても撮らずに数歩進んでしまう事があると.

それが3歩か5歩かでその時のメンタルが測れるという.

 

なんとも本人しかわからない感覚である.

が,このライフスタイルが大切だとも.

 

みんなスマホ持ってるから心に余裕があればいつでも撮れる筈なのだが,TL観ながら歩いてるので撮れない.

他の情報を垂れ流しにしているという点ではスマホは撮影に向いていないとも.

 

ここからは機材の話

 

機材の進化と人間の目について.

人間の目は5億万画素と言われている.集中してみている場所以外は解像度が低く,8Kディスプレイを振り回しているようなものらしい.

 

会場にも8Kディスプレイが展示してあり,展示の中で一番解像度が高い.

しかし,隣に展示してあるブラウン管のほうが解像度が高く感じると落合さん.

 

その理由は,8Kは静止.圧倒的静止.

それに対してブラウン管は時間方向のゆらぎがあるので情報量が多いと.

 

 

ここでKIKUMAさんは

「炭は無限の解像度である.光が必要だから.ディスプレイはそれ自体が光を出している」

 

蛍光灯の下で見ると点滅を感じ蝋燭の光で見ると風を感じ太陽のもとで見ると雲に気を使い,と落合さん.

8Kは止まった瞬間を表現するのに向いている.それ以外の表現ではノイズをあえて乗せたり時間方向のゆらぎが必要だと.

 

この話めちゃくちゃ好き.どれだけディスプレイが進化しても自然の光のなかで得られる情報量が一番多いと言うか.当たり前だけどなるほどという感じ.

 

 

カメラも1億画素を超えるものもあるが,それで人間を撮ると気持ち悪いという話題に.

 

虫を撮れば標本のようになるが人間を撮ると,写りたくない毛や見てはいけない物を見てしまった感が出ると.

 

現在はそう感じるが,その環境がネイティブになった世代は受け入れるのか?「この産毛がたまらん」う世界観が訪れるのか.

 

ここで落合さんが宇宙飛行士の毛利さんから聞いたという話に.

謝罪会見を8Kでやると悲しくなる.

 

これは笑った.

いい年のおじさんの汗や涙が高解像度で映される.観ているこっちが悪くなる. たしかにw

 

機材がさらに進化しビデオカメラが8Kになった時.

 

Vカメラも現在の写真と同じように光の当て方などに工夫が必要になってくるはず.

写真家の目を持った人が必要になってくる.

 

更に広告とアートの話へ.

 

欧米では写真がアートとして確立されている.

日本では写真は複製のイメージが付きすぎている.

 

素材に印刷している時点で「モノ」としての1点ものなのだが,それが複製可能な情報とされている.

 

アートとして

落合さん「写真の持つ絵画としての性質」「写真が撮られたときの情景をイメージ,行為の裏側にあった現物を想像できる=アートである」

質量にフォトンを当てて跳ね返ってくる気持ちよさを共有できるのは写真.スマホでは難しい.

 

KIKUMAさん「千利休のお茶と器,器越しにお茶の温度の心地よさを感じる.これを写真で表現できると思っている」

ものに当てて跳ね返る空気感や機能,物質 と落合さん.

対談は以上でここから質疑応答

 

 印象に残っているのはインスタの話の中で落合さんが「展示されているような写真より息子の写真のほうがいいねが多い」という話.

確かに息子くん可愛いからね.SNSは対象物重視である.

あとは「弊息子」の気恥ずかしさなどの文脈が文字だけでは伝わらないという話.

 

質問者の中に「書道×写真」をやっているという方がいたが気になる.

隣りに座っていたから聞けばよかったと少し後悔.

万が一これを読んでたらコメントかリプ下さい.

 

 

ということでトークイベントをざっとまとめてみました.

 

そもそも写真のことなど何も知らない,毛も生えてないツルツルな素人な私です.

イベント申し込みページは満席で諦めていたのですが,たまたまキャンセルで席が空いたタイミングを見つけ,これは参加するしか!と思い行ってきました.

気合い入れすぎてめちゃくちゃ早く会場に着き,気がつけば一番前に座ってましたw

内容理解できるか心配でしたが楽しく90分を過ごせました!

 

ちなみにトークイベントは今回を合わせ全3回なのですが,勢いに任せ3回とも申し込みましたので来週もご期待ください.

 

最後に私なりにグッと来たところまとめ

 

・光をどう感じるか,温度感と湿度感,街ごとの光の特徴

・スマホ&SNSカルチャーが決めた「きれい」は解像度が下がり塗りつぶされている.フィルターバブル.中央値に寄っていく.

・いかに自分が撮りたいものを撮るか.みんなとちょっとだけ違うを広げていけば表現の幅が広がり文化になる.

・いい写真は暇な人にしか撮れない.

・時間方向のゆらぎによる情報量.

・行為の裏側にあった現物を想像=アート,器越しの温度の心地よさ,物を当てて跳ね返る気持ちよさの共有.

・言葉じゃない時はハッピー

 

以上!駄文読んでくれた人はありがとうございました!

展示会はまだ続くので興味ある方は是非行ってみてください!

 

 ではまた.

 

 

 

 

 

 

 

コメント

  1. […] 行ってみて.色んな人のNOTEやブログで紹介されてるので雰囲気はそちらを参照.トークイベントのレビュー書きましたので見てね.   【学びをアップデートせよ】 大人・ビジネスパーソ […]